
あと500g足りない?
つーちゃん(娘)、生後4ヶ月。
今日はいよいよ健診の日。車に乗る前から、我が家はその話題で持ちきりだった。
カピー今日…何言われるかな…



いや、増えてるよ。増えててくれ。増えてろ
夫(57)、すでに祈りのフェーズ。
つーちゃん(娘)はチャイルドシートで平和そのもの。



んー?
と天井を見つめて、完全に他人事。
健診室に呼ばれ、いよいよ体重測定。
つーちゃん(娘)は乗せられた瞬間、「寒っ」みたいな顔。
結果――発育曲線、下。
あと500g足りず。
先生が淡々と、まるで“書類のついで”みたいな口調で言い放った。
「もし問題があるようなら、大きい病院で診てもらってもいいかもしれませんね〜」
その“ね〜”やめて。
柔らかいようで刺さる。
夫、フリーズ。
私、小声で「大丈夫…よね?」と自分に言い聞かせ。
帰りの車。
夫はハンドルを握りながら、遠い目をしていた。



……つーちゃん(娘)、元々小さかったよな?



そうだよ。ずっと小さめで可愛いじゃん



だよな…。よし、俺、もっと育児頑張るわ



今も頑張ってるよ?



いや、違う。“守る”方向で
守る方向とは。
家に帰ると、つーちゃん(娘)はご機嫌で足バタバタ。
その姿を見て、夫が突然語りはじめる。



つーちゃん、お前は強い。絶対大丈夫



今日一番弱ってたの、あなたね?



いや、俺は大人だからショックが大きいんだよ!
そんな理屈ある?
私は育児記録を見ながら、



ほら見て、飲んでるし。500gとかすぐ増えるよ。
ほら、すぐすぐ。余裕余裕
完全に“自分を落ち着かせるための言葉”になっていた。
夫がぽつり。



育児って…こんなに心が振り回されるのか



そうだよ。つーちゃんが笑えば天国、泣けば地獄



過酷すぎない?



でも可愛いから続けられるんだよ
つーちゃん(娘)はキャッキャと笑っている。
その笑顔を見て、夫はまた決意を固める。



よし、ミルク係、明日から俺がメインでやる



じゃあ夜中のも?



そ、それは…相談しよう
急に弱くなるな。
でも、夫婦そろってわかった。
“健診で一番試されてるのは親のメンタル”だってこと。
不安は尽きないけど、
つーちゃん(娘)が今日も元気で笑ってくれたから、まあよし。



500g?すぐよ



すぐだな
なんの根拠もない二人の会話。
でも、それが私たちの“親になる過程”なのだと思う――そんな4ヶ月健診の日だった。
異次元の子育てはここから始まった・・・




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