
生活の知恵って、なんとなく見てたブログからヒントもらえたりする
「お金のことはね、すぐに決めちゃだめよ」
そう言ったのは、カピー(妻)のおばだった。
その声には、長い人生を生きてきた人だけが持つ重みがあった。
「必ず間を置くの。たとえ良い話でも、一晩寝かせて。焦って決めたことは、たいてい後で後悔するから」
「それから印鑑。よくわからないものに絶対押しちゃダメ。押した瞬間に“契約成立”になっちゃうのよ」
「もし押し売りみたいな人が来たら、話を聞く前に逃げてきなさい。まともな人は逃げる隙を与えてくれるけど、悪い人ほど笑顔で囲い込むの」
カピーは黙って聞きながら、心の中で何度もうなずいた。
“おばの言葉は、ちょっとした人生の防災マニュアルみたいだな”と感じた。
お金のトラブル、詐欺、投資、マルチ、資格商法。
どれも「信じたい」「得したい」という気持ちにつけ込んでくる。
誰でも一歩間違えば巻き込まれる。
だからこそ、「疑うこと」「距離を取ること」も、大切な自己防衛なのだ。
その夜、カピーは夫のレッサーにその話をした。

ねぇ、やっぱり経験のある人の言葉って重いよね



ほんまやな。うちも気ぃつけなあかんな
そう言いながら、カピーはスマホを見せる。



あるブログで読んだんだけど、勧誘電話の断り方がすごかったの



教育関係の電話が来た時は、
→「娘は亡くなりました」



投資や副業の電話が来た時は、
→「あなたが連帯保証人になってくれます?」
レッサーは苦笑いしながら、「それはなかなか強烈やな」と呟いた。
冗談のように聞こえるが、要は“その場で流されない勇気”を持つということだ。
カピーは紅茶を一口飲みながら、静かに言った。



お金の話って、怖いけど避けちゃダメだよね。知識がある人ほど騙されないし、知らない人ほど狙われる



せやな。お金って、信じすぎても疑いすぎてもあかん。ちょうどええ距離感が大事や
夜が更けても、二人の会話は止まらなかった。
お金の話をするのは堅苦しいと思っていたけれど、こうして語り合う時間こそが、未来を守る第一歩なのかもしれない。
“焦らず、一呼吸おくこと”
“印鑑は慎重に”
“そして、知らない相手とは距離を取ること”
おばの言葉は、今日もカピーの胸に残っている。
それはきっと、誰にでも必要な「暮らしの知恵」だ。
マルチ商法に騙された話


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