
赤ちゃんパパ忘れるの巻
つーちゃん(娘)を義両親宅に預けて2週間。
義両親には本当に感謝だが――
それ以上に、レッサー(旦那)の精神が死んでいた。
レッサーカピー……俺、つーちゃんに会いたい……



うん、あと3日よ



3日!? 俺にとって3日は、2年だよ



どういう換算方式?
そんな感じで、レッサーは毎日ため息。
そして、ついに迎えた“再会の日”。



カピー、僕、今日泣くかもしれない



やめて、大げさ



いや、父としての情が……



いや、5割は自分のドラマ演出でしょ?
義両親宅に着くと、
義母がニコニコしながらつーちゃんを抱っこして出迎えてくれた。
義母「ほらー、つーちゃん、お父さん来たよ〜」



つーちゃん!!! お父さんだよ!!
……が。
つーちゃん、無表情。
まるで“知らん人来た”の顔である。



あれ? あれ???



……はい、落ち着いて深呼吸して
すると――
つーちゃんが突然、
「ヴ〜〜〜〜〜!!」と低い唸り声を放ち、



え? 威嚇?



たぶん、敵判定入ったね
つーちゃん、さらに顔をクシャッとさせ――



ばあぁぁぁああああ!!!!!
絶叫。
レッサー、撃沈。



え? ちょっと待って? 完全に俺のこと忘れてる?



……うん、たぶん既に初期化されたね



初期化ぁ!? マジで??
義父は爆笑しながら背中を叩いてくる。
義父「まあまあ! 子どもは忘れるのも早いから!」



フォローになってないんですけど!?
レッサー、なすすべなく距離を縮めていく。



つーちゃん……お父さんだよ……名前くらい覚えて……



ねぇ、まだ名前も言えないよ
レッサーが手を伸ばす。



……(観察)



(ドキドキ)



ばぁぁぁあああ!!!



また泣いた!!? 俺、ホラー映画の怪人みたいじゃん!
義母は笑いながら言った。 義母「2週間で子どもはけっこう変わるからね〜」



そんな“アップデート”みたいに言わないで!!
カピーは肩をすくめた。



まあ、徐々に慣れていくよ。
ほら、あなた繊細だから余計ショック受けてるだけ



繊細を強調するな!!



じゃあ、つーちゃんが慣れるまで、
あなたも徐々に距離を詰めて



なに、恋愛指南みたいになってるの?
その後、慎重に距離を詰めた結果――



……(ジッ)



そうそう、ゆっくりでいいよ〜



ぁぅ……



いま声出した!!! 成功の第一歩!!
レッサー、涙ぐむ。



……今日、たぶん3回は泣くね
義父「いや、このあとも泣くと思うぞ」



泣かせるな!!
でもその夜。
家に帰る車の中でレッサーはしみじみ言った。



つーちゃん、ちゃんと“俺の子”だった



なんで?



慣れるまで時間かかるところが……俺に似てる



そこ似なくていいのに
身バレ覚悟の(まだ、覚悟はできてませーん)、レッサー家のプロフィール




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