
「ねえ、指なめてるけど大丈夫かな……」
最近、つーちゃんが指をなめている。
それもまあまあ本気で。
じゅー…ではなく、べちょべちょ系。
カピーねえ、指なめてるけど大丈夫かな……



うーん……
この“うーん”が出た時点で、だいたい二人とも不安になっている。
最初で最後の育児。
何が普通で、何が異常なのか、基準がまったくわからない。
少し沈黙したあと、私たちは同時にスマホを手に取る。
はい、出ました。
育児あるある第一位、「とりあえず検索」。
検索ワードはもちろん、
【赤ちゃん 指なめ】
出てくる出てくる。
「成長の一環です」
「自己探索です」
「問題ありません」



……よかった。
心の底からホッとする。



成長らしいよ



なるほど
ここで終われば、普通の育児日誌。
でも、うちはここで終わらない。
つーちゃんをじっと見つめた旦那が、真顔で一言。



……アムロかよ!



は?
どうやら指を口に持っていく仕草が、
ガンダムのアムロ・レイが操縦桿を握る前の仕草に似ているらしい。
知らんがな。



急にガンダム持ち込まないで



いや、ほら、集中してる感じが



集中してるのは唾液です
とはいえ、笑ってしまう。
さっきまでの不安が、少し軽くなる。
すぐ調べられる。
すぐ安心できる。
本当にありがたい。



——便利だな、ネット。
……でも。
問題はここからだ。
調子に乗って、
「赤ちゃん 咳」
「赤ちゃん 湿疹」
「赤ちゃん 夜泣き」
なんて検索し始めると、
なぜか最終的に必ずたどり着く場所がある。
【重い病気の可能性】
【まれにがんのケースも】



やめて。
ほんとにやめて。



ねえ、また“がん”出てきたんだけど



……もう検索やめよ?
検索して安心したはずなのに、
気づけば心配が増えている不思議。



ネットは便利やけどな



でも、メンタル削ってくるよね



しかも最後はだいたい最悪のパターン
そう。
検索って、
希望→安心→油断→最悪
この流れがワンセット。
それでも、
つーちゃんが指をなめながら、
何も知らない顔で笑っているのを見ると、
「ああ、大丈夫かも」って思えてくる。
検索結果より、
この笑顔のほうが信頼できる。
今日もまた、
心配して、検索して、
ちょっと笑って、
最終的に「かわいい」で全部上書き。
体力はない。
知識もまだ浅い。
でも愛情だけは、なぜか余っている。
指をなめる娘と、
アムロを重ねる旦那と、
検索結果に振り回される私。
今日も我が家は、
ネットと現実の間で、
平和に揺れています。
旦那のダチ、ミーノの子育ての割り切り方がすごい!




コメント