
目次
「ほら、ミルクだよ〜」
わたしは、つーちゃん。
まだおしゃべりはできないけど、毎日いろんな声が聞こえる。
カピー飲む?



飲むよね?



ほら、ミルクだよ〜
この言い方のときは、だいたい正解。
あったかくて、あまくて、しあわせのやつ。
ごくごく飲むと、



すごいすごい!



えらいなぁ!
……飲んでるだけなんだけど。
でも褒められるから、もう少し飲む。 ある日。



あれ?あご、二重じゃない?



ほんまや!育ってる!



かわいい〜!
二重あご、どうやら評価高い。
わたしはよくわからないけど、
ふたりが笑うから、そのままにしておく。
次の日。



今日は麦茶にしてみよっか
……ん?
色ちがう。
においちがう。
ひと口。
……ちがう。
わたし、何も言わない。
泣かない。
ただ、見ない。



……あれ?



無視してるな



飲まないの?
見ない。
これは作戦。
しばらく沈黙。



ミルクにする?



えー……



小さく生まれたし



……まあ、今日は



勝った。
ミルクが来た瞬間、
ごくごくごく。



さっきと全然ちがう!



完全に見分けてるな
そう。
わたし、けっこうわかってる。
今日も聞こえる。



飲みすぎかな?



でも飲んでくれると安心するよね
ふたりとも、ちょっと困ってる。
でも、わたしは元気。
あごも元気。
だから、今日も飲む。
ミルクだけを信じて。
ミルクネタ
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