
赤ちゃん視点
――わたしは、つーちゃん。
ミルクをのむのが、しごとです。 むかしのわたしは、とてもいそがしかった。
ミルクのじかんになると、
つーちゃんはやく!はやく!
って、ぜんしんでつたえていた。
くちをぱくぱく、てをばたばた。
いのちはミルクにかかっている。
そんなきもちだった。
ママとパパはあわててた。



ごめんごめん!



もうちょっと待って!
わたしはおもった。
――おとなって、うごきがおそい。
すこしたったあるひ。
わたしは、きづいた。
ミルクは、ただまってるだけじゃ、だめだ。 だから、てをそえた。
ほにゅうびんに、ちょこん。
ママが



え!手添えてる!
ってさわいだ。
パパは



成長だなぁ…
って、なぜかえらそうだった。
そう。
わたしは、れべるがあがったのだ。
さらにじかんがたつと、
わたしのミルクすきるは、かんせいにちかづいた。
あるひ、わたしはおもった。
――もう、てはいらないな。
りょうては、ひらく。
あしは、おおきくひらく。
おなかは、どーん。
ほにゅうびんは、くちだけでくわえる。 ママがこおった。



……え、なにそのかっこう?
パパがふるえたこえでいった。



オレののみかたに、にてる…
しらない。
でも、いちばんらく。 ママはいいました。



ねぇ、あかちゃんって、あんなだったっけ?
パパはいいました。



いや…もう、オヤジだな…



オヤジ?
それ、おいしいの?
わたしは、のみつづける。
らくで、あんていしていて、
なにより、かっこいい。
ママはみずをのみながら、
だまってみている。
パパは、すこしさみしそうで、
でもうれしそう。
ミルクののみかたは、
わたしのせいちょうのきろく。
きょうもわたしは、
あしをひらき、
くちだけで、のむ。
娘のおもしろい行動【ミルク編】




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