
「つーちゃ〜〜ん!!パパ迎えに来たぞぉ〜〜〜!!」
旦那が朝からそわそわしていた。
なぜかって?
訳あって、私と娘のつーちゃん(生後数ヶ月)は、数日ほど私の実家=義両親宅に泊まり込み。
旦那は自宅で“つーちゃんシック”に陥っていたのだ。
そして迎えの日の朝、私のスマホに旦那から LINE が飛んでくる。
レッサー今日、ついに会える…!震えてる



落ち着け



会った瞬間、笑ってくれたら俺泣くかも



まずは安全運転しなさい
数時間後、義父が「お、旦那さん来たぞ」と言うやいなや、
外から車のドアが勢いよく閉まる音がした。
ガチャっと玄関が開き、旦那がドラマのクライマックスみたいな顔で登場。



つーちゃ〜〜ん!!パパ迎えに来たぞぉ〜〜〜!!
義母が「あらまあ嬉しそうねぇ」と笑うほどの満面の笑み。
いや、笑顔を通り越して発光している。
旦那は私の後ろにいるつーちゃんに手を伸ばし、



パパだよ〜会いたかった〜パパだよ〜
と溶けそうな声で呼びかける。
つーちゃんがくるりと顔を向け…
旦那の表情は“絶対いいリアクションが返ってくると確信した人の顔”。
しかし。
次の0.1秒後。



ウギャアアアアアアア!!!!!!
うわぁぁぁぁぁぁん!!!
全力絶叫。
旦那の笑顔が音を立てて崩れ落ちる。



え…?…え? つーちゃん? パパだけど…?



なぜ疑問系?
旦那、半泣き。
義母が優しく「忘れちゃったのね〜」と言い、
義父は「まあまあ、すぐ思い出すよ」と笑う。
しかし旦那は完全に心が削られていた。
その後、抱っこ挑戦 → 即泣かれる → しょんぼりを3ループ。
もはやRPGのザコ戦で連敗する勇者のよう。



なんで…なんで泣くの…俺なんかした…?



いや、何もしてないけど鼻でかいのかも



今それ言う!?
でも、旦那のメンタルは妙にポジティブだ。
膝を落としながらも、



でも…泣いてても可愛い…
泣かれた俺も…まあ可愛い…
と訳のわからない自分励ましを始めた。
義母はクスクス笑い、義父は「パパ修行だな」と肩を叩く。
私はふと思う。
こうやって、会いたくてたまらない顔をして、
泣かれるたびに心をへこませて、
それでもまた抱きしめようとするのは——
きっと今のうちだけだ。 いつかつーちゃんが反抗期に入ったら、「お父さんこっち来ないで」なんて言う日がくるかもしれない。
そう考えると、
泣かれて落ち込んでる旦那の背中が
妙に愛しくなった。
帰り際、つーちゃんがまた泣きそうな顔をすると、
旦那が弱々しく笑って言った。



来週こそ…覚えててくれますように…
この頃から比べて、メンタルが成長した旦那






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