
目次
つーちゃんが半分だけ顔を出して、無表情でこっちを見ていた。
なんとな〜く静かな部屋で、私はぼんやり天井を見ていた。
――“ゴソ…ゴソ…”
カピーあ、つーちゃん起きたっぽいね〜
そう言うと、隣の旦那が



ん……起きたくない……世界よ、静まれ……
と呪文みたいにつぶやきながら二度寝に戻っていった。



いや寝るんかい。
布団を見ると――
つーちゃんが……いない。



あれ?え?どこ行った?小さくなった?
私は素で不思議顔。
そのときまた“ゴソゴソ”。
音のする方を向くと――
向こうの部屋の隙間から、
つーちゃんが半分だけ顔を出して、無表情でこっちを見ていた。



あ〜、いたいた。かわいいねぇ〜。
なんであんなとこいるの〜?
完全にホラーの気配を無視して近づく私。
一方の旦那は、半目で起きてその姿を見た瞬間、



ひぃっ!?え、なに、え、なんで?え?
と、語彙力ゼロで震えている。



ほら見て。つーちゃん、ミルク欲しい顔してるよ〜



……どこをどう解釈したらそう見えるの……?
つーちゃんは無言でじーっと旦那を見つめ、
のそ……っと近づく。 旦那、白目。



こ、これは…圧……!
私はというと、



あ〜歩きたかったのかな〜?かわいいな〜
と完全に癒しモード。



ねぇ、君だけジャンル違う世界見てない!?



え?ファンタジーだよ?



ホラーだよ!!!!
最終的に旦那が震えながらミルクを作り、
つーちゃんは満足げ。
私はほっと一息。
旦那は魂抜け気味。
なんだかんだ平和な日でした。
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